看護師にとって「一年目」は、誰にとってもつらく厳しい時期。
病院側も新人が一人前の看護師になれるようプリセプターが中心となり、一年間かけて新人教育を行っているのが一般的です。
しかし職場によっては新人教育をしっかり考えていないところも。
それどころか新人看護師に対して「いじめる」「厳しすぎる」「無視する」など、信じられないことをする「お局看護師」が幅を利かせているともう最悪!
ブラックな職場ではあなたがどんなに努力しても、職場環境や人間関係が原因で仕事を続けることはできません。
みこ「精神的にも体力的にも限界をとっくに超えて、自分自身が消えてなくなりそう。」
そんな状況まで追いつめられているのならブラックな職場を退職することを考えましょう。
あなたが看護師として成長できる職場はきっと見つかります。
看護師一年目だからといって我慢せず、おもいきって再スタートを切りましょう。
でもいざ退職するとなると「どうすればいいの?」ってなりますよね。
一年目看護師がスムーズに退職するためには、ひとつひとつのステップを順番に進めていくことが大事。
そこで今回は、看護師一年目が退職する場合の手順を詳しくご紹介していきます。
退職までの流れをきちんと把握して、「円満退職」を勝ち取りましょう!
STEP1:退職を決断する
新人看護師の退職を成功させるためには、まず退職を決断することから始まります。
この記事を読んでいる看護師は、今の職場に少なからず悩みを抱えているのかもしれません。
看護師一年目は毎日新しいことを覚えなければならず大変です。
先輩看護師との人間関係や配属された部署の看護業務が合わないなど、悩みはさまざまにあるでしょう。
今の環境から脱却したいと考えたとき、選択肢は以下の3つが挙げられます。
- 先輩看護師との関わり方を工夫する
- 部署異動を申し出る
- 退職する
配属部署がバタバタと忙しくて分からないことがあっても質問しにくかったり、十分に指導してもらえなかったりなど、仕事を覚えていく中で支障が出るような人間関係は精神的にもつらいですよね。
もし今の部署で頑張りたいという気持ちが残っている場合は、周囲とのコミュニケーションの取り方を見直すのも一つの方法です。
それでもダメなら部署異動も選択肢として挙がるでしょう。
同じ病院でも病棟が違えば、仕事内容も人間関係もガラッと変わるからです。
一方で新人看護師の部署異動はすんなりと希望が通らなかったり、それなりのリスクも伴います。



新人のうちに辞めたら今後の仕事に悪影響が出るのではないかと不安になっていませんか?
たくさん悩んで検討した上で辞めたいと思ったら、今の環境に固執する必要はありません。
転職を決断し、前向きに行動に移しましょう。


新人看護師の転職理由から判明した6つのリアルな悩みとその解決方法
STEP2:退職理由を決める
新人看護師が転職したいと考える要因として、以下のような状況があります。
- 残業が多く心身共に休めない
- 夜勤がつらい
- 先輩とうまくいかない
- 毎日の勉強・課題が大変
- 理想と現実の差が大きかった
もしあなたが不眠や食欲減退など心身の体調不良をきたしている状態であれば、正直に話して退職しましょう。
仕事を無理に続けず、まずは自分の体調を優先すべきです。
一方で、上記に挙げたような退職したい理由を正直に伝えたところで、上司から退職を引き止められるリスクが非常に高いです。
常に看護師不足で悩んでいる病院側は、いろんなことをいって引き止めるでしょう。
- 「いままで頑張ってきたのにもったいないわよ」
- 「一年目は誰でもつらいの。もう少し頑張れば・・・」
- 「どこの病院に行っても仕事内容は一緒よ」
- 「来年度になれば異動を検討できるわよ」



これまでいろいろ相談したけど、本気で対応してくれなかったじゃない!
退職することを決断したら、周囲に説明するための「表向きの退職理由」が重要になります。
師長にはどのように退職理由を伝えたら、うまく説得できるのでしょうか。



「業務が合わない」「人間関係がしんどい」などマイナス面だけで伝えた場合、退職をすんなりと受け入れられてくれません。
また一般的に看護師の退職を断れない事柄として「親の介護」や「結婚」などがありますが、新人看護師には使いづらい理由ですよね。
新人看護師にとって有効な退職理由はズバリ「キャリアアップ」です。
「自分の夢は今の病院では実現できない。希望の道に進むには転職するしかない。」
とアピールすることです。
「病棟で携わった〇〇の経験から△△に対する関心が高まり、これからは△△を専門的に学べる所でスキルアップしようと考えます。」
例えば下記のようなポジティブな理由を付け加えます。
- 慢性呼吸器疾患の知識や技術を深めたいと思うようになったので、認定看護師のいる病院に転職して、資格取得のために勉強したい。
- 美容外科にもともと興味があり、外科を希望していた。ここでの臨床経験を活かして、早いうちにチャレンジしたい。
今の職場では実現できないことを強調することがポイントです。
「今の部署でこのまま頑張れば大丈夫よ」と説得されない理由を考えましょう。
STEP3:退職希望日を決める
退職する意思を固めて、退職の理由もよく考えたら、実際に退職する時期を検討しましょう。
職場環境に悩んでいる人は、すぐやめたいと考えているかもしれません。
残りわずかと分かっていても職場に行きたくなくなりますよね。
しかし新人看護師は退職時期を見誤るとデメリットがさまざまにあります。
- 病院側の都合で退職の許可が下りない
- もらえる予定のボーナスが受け取れない
- 求人数が少なく、転職がうまくいかない
退職のタイミングが悪いといろんなリスクがあるので注意しましょう。


新人看護師の転職が成功する時期と退職を報告するベストなタイミング
法律では2週間前に退職を申し出ればよいことになっていますが、ほとんどの病院で就業規則(退職規定)があり「〇ヶ月前までには申告する」のように決められています。
ギリギリの申し出ですぐに職場が承諾してくれるところは少ないのが現実です。
まずは勤務している病院の就業規則を確認してください。
第〇条(退職手続) 職員が退職しようとする場合は、その事由を付し、少なくとも〇か月前までに退職願を提出しなければならない。
退職の申し出に関する規則がある場合は、1か月前・3か月前など明記されているはずです。
新人看護師といえど勤務シフトに組み込まれていると、病院側は交代要員をやりくりしなければなりません。
また看護職は常に人手不足で補充人員をすぐに確保できないのも現実です。
「〇ヶ月前までには申告する」は病院側があなたの代わりを見つけるために必要な時間です。
看護師の退職・転職に適切な時期は1年のうち数回ありますが、優先事項や目的によっても変わってくるでしょう。
とくに一年目で一人暮らしをしていたり、奨学金の返済をしていたりと金銭面の考慮が必要なときは、慎重に準備を進めなければなりません。
仮にすぐ辞められたとしても、求人が少ない時だと経験値が少ないことで不利になることも考えられます。
生活面に余裕がないと、焦って転職をしてしまい、後悔することになりかねません。
新人看護師でも受け入れてくれる職場はたくさんありますが、次の職場を決めずに退職してニートになると生活面の不安だけでなく税金の手続きで面倒なことも多々あります。
次の転職先や、今後の生活もしっかりと検討した上で、退職希望日を決めましょう。
STEP4:転職サイトに登録する
今の職場からいちはやく逃れたいという気持ちがいっぱいで、なかなか退職後の自分を想像できないかもしれません。
でも転職先が今と同じような職場環境なら、あなたのつらい気持ちは変えられません。
- 温かみのある人間関係
- 頑張りが報われる教育体制
- 理想の看護が提供できる職場環境
- プライベートも充実できる福利厚生
しかしすべてが手に入る理想の職場はなかなかありませんし、新人看護師が転職先を自分で見つけるのはとても困難です。
新人看護師が転職を成功させるためには、転職サイトに登録して適切に情報収集を行い、準備することが1番の近道。
退職を決めたら早い段階で転職サイトに登録しましょう。
担当者からの煩わしい連絡なしで転職活動ができるのはジョブメドレーだけ。
おまけに転職が決まると「勤続支援金」までもらええますよ。


【ジョブメドレー看護師】勤続支援金がもらえるってほんと?お祝い金との違いは?
STEP5:家族に相談する
新人看護師が仕事を辞める場合、気になるのは家族の反応。
退職するにあたり、社会人としてどのように行動すればよいのかをじっくり相談できるのは、やはりあなたのことをよく知っている家族です。
今後、家族の協力を得るためには事前に報告することが大切です。
看護師になることを応援してくれていた両親に、1年も経たずに病院を辞めると伝えたら反対されるかもしれません。
しかし反対を恐れて親に内緒にしたまま仕事を辞めるのは危険です。
看護師一年目であれば経済的にも自立できていない人が多いはず。
今の病院の奨学金制度を利用して、現在いわゆる「お礼奉公」中のひとは奨学金の一括返済も考えなくてはいけません。


仕事を辞めたい新人看護師が退職を反対する親を説得する上手な方法
また看護師になって上京した人は、地元に戻ってゆっくりと仕事を探すことも選択肢のひとつです。


新人看護師のUターン転職!地元でキチンと再スタートできる上手な方法
家族に相談する前に、退職理由や転職活動の進捗状況を一度見直すことをおすすめします。
自分の意思を強く持って決断し、前向きに行動していることが伝われば、理解を得られやすいからです。
「今後のキャリアに傷がつく」「生活ができるのか心配」など、将来を心配するあまりに退職を反対される可能性もあります。
辞めたいと思った経緯を伝えて、今後どのように転職活動していくのか詳しく説明することで、自分の考えを分かってもらいましょう。
STEP6:退職の意思を報告
辞めたいと切り出すのは、勇気のいることですよね。
言い出しにくいかもしれませんが、退職したい時期を決めたら師長に早めに退職の意思を報告しましょう。
まずは師長が忙しくないタイミングで
「お話したいことがあるので、少しお時間いただけますか?」
と切り出します。
他の先輩看護師や同期に早くに気付かれてしまうと、引き止められたり根掘り葉掘り聞かれたりと面倒なことになるので注意してくださいね。
師長との面談では
「お忙しい中、お時間いただきありがとうございます。突然で申し訳ありませんが、〇月で退職させていただきたいです。」
と話します。
ポイントは、退職の意思が固まっていることをアピールすることです。
「退職したいと考えているのですが…」
と相手の反応を伺うような切り出し方だと、すぐに説得されてしまいます。
はっきりと退職希望時期を伝えて、隙を与えないようにしましょう。
退職理由を質問されたら、STEP2で用意した退職理由「キャリアアップ」を伝えます。
人間関係や教育体制など現状の課題を聞かれることもありますが、改善策を出されて辞めにくくなってしまうので、本音は隠して話を進めることをおすすめします。
また体調不良による退職を伝えたときは、「少し休んだら?」と提案される可能性もあるので注意が必要です。
STEP2で用意した退職理由「キャリアアップ」を伝えるとともに
「今のままだと、自分の理想とする看護が提供できないです。職場を変えて心機一転頑張りたいと決めました。転職活動も進めていて、無理のない職場に内定がもらえています。」
と、退職の意思をもう一度説明しましょう。
STEP7:退職日を決定 退職届を提出
師長との面談が終わり、無事に退職することが認められたら、あらためて退職日を調整してもらいます。
退職日の調整は、看護部全体の人事異動にも関係してくるので、病院によっては看護部長と面談するケースもあります。
ここで退職意思の最終確認が行われます。
師長との話し合いと同じように、準備した退職理由を説明して理解を得ましょう。
退職届は、最終的に自分が退職したいという意思を通知するものです。
もし師長や看護部長と面談する中で退職するかどうか迷ったら、もう一度自分で考えることが重要です。
退職届が受理されると、撤回できないので慎重に検討して提出しましょう。



退職届の書き方は病院の就業規則で決められているところもあるので、確認してから準備してくださいね。
【看護師向け】見本つきですぐ書ける 退職願・退職届の書き方・ポイント 看護roo!
退職届が受理されたら、有給消化についても準備しましょう。
半年以上病院で勤務していた場合は有給が付与されますが、退職日までにしっかりと有給消化したいと思っていても、つい遠慮してしまう人も多いのではないでしょうか。
しかし有給休暇は労働基準法で定められている権利なので、遠慮する必要はありません。
有給が残ったままの退職とならないよう、早めに取得する日を調整してください。
STEP8:部署で退職を報告
退職が正式に決定したら、いよいよ部署内で公表されます。
最終出勤日などの調整が終わったら、お世話になった先輩看護師や同期など、部署のメンバーに退職する旨を報告します。
報告する日程は師長から事前に伝えられ、朝礼や夕方のミーティングなどで話すことになるでしょう。
師長が代わりに退職が決定したことを公表する場合もあります。
- 退職までの残りの日々をしっかり働く
- 担っている役割を次の担当者に引き継ぐ
最終出勤日までの期間は少し気まずいかもしれませんが、業務に集中して頑張りましょう。
STEP9:書類を受け取る 備品を返却
退職時に「受け取る書類」と「返却しなければならない備品」があります。
- 離職票
- 源泉徴収票
- 雇用保険被保険者証
- 厚生年金基金加入員証(職場に預けていた場合)
離職票は失業給付を受けるために必要ですが、残念ながら1年未満の新人看護師は給付対象にならない人がほとんどでしょう。
源泉徴収票と雇用保険被保険者証は次の転職先に提出することになるので、いつごろ受け取れるかを病院側に確認しましょう。
また病院によって返却する備品は異なるので、しっかり確認しましょう。
基本的には入職した時に病院から貸与されたものは退職時に返却します。
- 職員証(IDカード)
- 健康保険証
- ユニフォーム(白衣・ナースシューズ)
- ロッカーの鍵
院外持ち出し禁止の書類や、先輩や同僚から借りた資料や参考書なども、早めに返しておきましょうね。
STEP10:退職日の挨拶 お礼の準備
今日が最後の一日です。
つらく苦しい日々も「退職日」というゴールが見えたからこそ何とか乗り越えられました。
まずは朝一番、病棟師長に
「今日までの勤務になります。ありがとうございました。最後まで頑張りますのでよろしくお願いします。」
としっかりと伝えましょう。
そうすることで朝礼でのあなたの挨拶を病棟師長がサポートしてくれるはず。
また、院長や看護部長に退職の挨拶をする必要があるかも相談しておきましょう。
退職日の朝礼では全スタッフに対して感謝の言葉を短く伝えればOK。
業務終了時にお世話になった先輩看護師や同期に最後の挨拶をしましょう。
新人看護師としての感謝の気持ちをきちんと伝えるために、あらかじめ挨拶を「文章」として準備しておきましょう。
「文章」を暗記するなりメモに書いておくなりすると安心ですね。
スタッフの皆さん、お疲れ様です。
本日をもって退職することとなりました。
私自身いたらない点が多く、先輩方にはご迷惑をおかけして本当に申しわけありませんでした。
短い期間でしたが、先輩方から多くのことを学ばせていただきました。
本当に感謝しております。
これからもこちらで培った経験を活かして頑張りたいと思います。
今まで本当にありがとうございました。
退職の理由は詳しく話す必要はなく、「一身上の都合」と伝えて問題ありません。
簡潔に、感謝の気持ちや病院で学んだこと、今後の展望などを伝えましょう。
また、看護師だけでなくお世話になった医師やコメディカルのスタッフにも、業務の合間に挨拶をしましょう。
休憩室にかんたんなメッセージを添えた菓子折りをそっと 置いておくのも、大人のふるまいかもしれませんね。
とくに親身に指導してもらったプリセプターなどには、個人的にお礼をすると気持ちが伝わります。
看護師長に最後の挨拶を行い、忘れ物がないか最終確認をして退勤します。
まとめ
新人看護師だからといってブラックな職場でいつまでも我慢しなければならないなんてことはありません。
うまくいかなかったことを後悔せず、病院で学んだことを糧にして、今後の看護師の仕事に活かしましょう。
新人看護師の退職は、それぞれの手順を把握してしっかりと準備すれば、不安に思う必要はありません。
退職時期を慎重に決めて転職サイトを活用して面接対策をすれば、理想の職場で楽しく働くことができるはず。
退職へのステップをひとつひとつ順番に進めて、あなたが看護師として輝ける新しい職場を見つけましょう。
- Step1 退職を決断する
- Step2 退職理由を決める
- Step3 退職希望日を決める
- Step4 転職サイトに登録する
- Step5 家族に相談する
- Step6 退職の意思を報告
- Step7 退職日を決定 退職届を提出
- Step8 部署へ退職を報告
- Step9 書類を受け取る 備品を返却
- Step10 退職日の挨拶 お礼の準備
