看護師一年目でも美容クリニックに転職できる?メリット・デメリットも解説!

慣れない夜勤や、上手くいかない人間関係など病院勤務している新人看護師はさまざまな悩みがあり、転職を検討している人も多いのではないでしょうか。

転職先の中でも特に人気なのが美容クリニック。経験の浅いうちは難しいとも思われがちですが、実は教育体制がしっかりしていて新人看護師でも受け入れられやすい転職先の一つです。


今回は新人看護師が美容クリニックに転職できる理由や、転職するメリット・デメリットについてもご紹介いたします。

美容ナースの実情を知って、自分に合った美容クリニックへ転職しましょう。

目次

美容クリニックの種類

最近は、CMやテレビ・YouTubeなどで美容整形や美容脱毛が身近になったこともあり、美容クリニックの需要が高まってきています。

男性の美容に対する意識も高くなってきているため、メンズ専門の美容メニューを取り入れるところも以前と比較して増えました。


ここでは大きく3つに分けて美容クリニックの種類をご紹介いたします。

自分の性格や得意なことに合わせてクリニックを選びましょう。

美容外科クリニック

美容外科は、二重手術や脂肪吸引、鼻プロテーゼ・豊胸手術など、外科的な手術を必要とする施術をメインに行うクリニックのことです。

全身麻酔の看護や、手術の直接介助など、専門性の高いスキル・技術が求められます。また、患者さんに対する精神的ケアも重要な業務の一つであり、整形手術を受ける前や、ダウンタイム中のサポートを行い、不安の軽減に努めます。

初診時のカウンセリングでは、患者さんの希望を細やかにくみ取って、医師の治療方針につなげることも大事な看護師の役割です。

美容皮膚科クリニック

美容皮膚科クリニックは、ニキビ治療やシミ取り、シワ・たるみ取りのヒアルロン酸注入やボトックスなどの施術を行うクリニックです。

定期的に通院する患者さんが多く、治療内容によっては看護師がメインで関わることが多いので、患者さんと接する時間が長いのが特徴です。

レーザー治療以外に点滴や注射などの看護業務が多いため、正確な穿刺技術が求められます。

また、皮膚に関する知識や化粧水・美容液などの効能について患者さんに分かりやすく説明できることも重要で、看護師の対応が美容皮膚科クリニックの評判に大きく影響するでしょう。

治療にも流行りがあるので、最新の知識を常に習得することが必要です。

脱毛クリニック

脱毛クリニックでは、専用の機械を使ってレーザー脱毛を実施し、施術後のアフターケアを行います。

脱毛では患者さんの希望に合わせて、広範囲の脱毛を行うこともあるので、1人の患者さんと関わる時間は長くなります。

レーザー脱毛は、痛みを伴うこともあるので、患者さんと密にコミュニケーションをとり、反応を細やかに観察しながら施術することが求められます。

1日の予約人数と時間が分刻みで埋められていることも多く、スケジュール通りにスピード感を持って業務をこなすことが必要になるでしょう。

美容クリニックで働くメリット

看護師の転職先として人気のある美容クリニックですが、働くメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。

ここでは大きく5点に分けてメリットをご紹介します。

専門知識や技術が習得できる

美容クリニックでは、年々新しい施術や最新の機器が導入されます。シワとりの注射一つをとっても、薬剤はさまざまにあるので定期的に知識を習得しなければなりません。

美容のトレンドや機器の取り扱いはその都度覚える必要がありますが、一度美容クリニックを経験することで他の美容クリニックへの転職もしやすくなるというメリットもあります。

勉強会や研修でしっかりと基礎を習得しておけば、今後の美容ナースとしてのステップアップに役立つでしょう。

給与が高い

自由診療のため利益率が高い美容クリニックの月給は、平均月給329,000円で、美容外科の平均年収は577万円と病棟勤務の看護師よりも高給与です。

化粧品や美容施術メニューなど個人の売上によってインセンティブが受け取れることもあるため、やりがいも感じやすいでしょう。


また、アートメイクなど専門的な技術を磨いて活躍できると年収900万以上稼いでいる看護師も実際にいます。

分単位できちんと残業代が支払われるクリニックが多いので、病院勤務の際にサービス残業で悩んでいた看護師にとってはメリットが大きいですよ。

休みがとりやすい

美容クリニックは、完全予約制の場合がほとんどなので、残業が少ないことが特徴です。

そのため、プライベートの時間が確保しやすく、休みがきちんととれることがメリットといえるでしょう。

年間休日も140日以上と病院よりも多いクリニックも豊富なので、気持ちにゆとりを持って働くことができますよ。


病棟勤務と違い、夜勤がなく日勤のみの業務なので身体的な負担も軽減されます。

オンオフをしっかり切り替えて、仕事以外の時間を充実させたいと考えている人におすすめです。

業務は慣れるまでは少し大変ですが、急変対応や急患の受け入れなどはほとんどないため、穏やかに働くことが可能です。

自分の美容磨きに役立つ

美容クリニックに興味のある看護師の多くは、もともと美容が好きで実際にお客として美容医療を経験している人が目立ちます。

美容ナースになると、社員割引や研修の練習などで高額な美容医療やコスメを格安で購入できるので、働きながらキレイになれるところが嬉しいポイントでしょう。


また、身だしなみに関する決まりも、病棟勤務より自由であり、髪型やアクセサリーなど制限がないこともメリットといえます。

おしゃれや美容磨きを謳歌して、自分らしく楽しく働きたいという看護師にぴったりの職場です。

マナー・接遇スキルが身につく

美容クリニックは、患者さんをお客様として迎え入れるため、マナーや接遇について研修でしっかりと学べます。

高いレベルの接遇が身につくので、仕事以外のさまざまな場面でも役立ちますよ。


看護師の丁寧な対応はクリニックの評判だけでなく、個人の評価にも大きく影響するため、患者さんから気に入ってもらえると指名が増えてお給料が上がるクリニックもあります。

患者さんの喜びや満足度をダイレクトに感じることができるので、仕事に対するモチベーションも上がりやすいでしょう。

美容クリニックで働くデメリット

メリットの多い美容クリニックへの転職ですが、美容クリニックならではの注意点もいくつかあるので、把握しておきましょう。

ここでは大きく4点を挙げてご紹介します。

一般病棟に戻りにくくなる

新人看護師で臨床経験が短いと、求める人材として経験年数が足りないと思われることもあるので、今後の転職先として病棟勤務など臨床現場に戻ることが難しくなることがあります。

また高給与で待遇の良い美容クリニックを経験すると、給与が安くて忙しい病棟には戻りたくなくなる人も多いでしょう。

疾患に対する看護や医療行為にやりがいを持っている人は、美容クリニックの看護業務に違和感を覚えることがあるため、自分が何を求めて転職したいのかしっかりと見極める必要があります。

高いコミュニケーション能力が求められる

美容クリニックは、接遇・マナーに厳しく、相手に柔軟に合わせたコミュニケーション能力が必要とされる仕事です。

とくに人気のクリニックではモデルや芸能人などが通っていることも多く、施術の仕上がりや接客対応には高いスキルが求められます。

なかには、注射や点滴に失敗してクレームにつながるケースもあるため、一つ一つの業務をスピード感を持って正確に行わなければなりません。

看護師の気持ちいい対応によって「また施術を受けたい」「この人なら通いたい」と思ってもらうこともできます。


また、専門のカウンセラーが在籍していない場合は、看護師がカウンセリング業務も行うので、患者さんの悩みに寄り添いながら話を傾聴できる人が向いているでしょう。

土日は出勤の場合が多い

美容クリニックはサービス業の一面が強いため、土日や祝日は予約が埋まっていることが多く、カレンダー通りの休みは取りにくいです。

1日の予約スケジュールが詰まっていてテキパキと業務をこなすことが必要なので、慣れないうちは少し苦労することもあるかもしれません。


GWやお盆休みなどは繁忙期となりますが、その代わりに長期休暇がとれるクリニックも多いので募集要項をチェックしましょう。

美容クリニックによっては、日曜日は定休日になっているところもあるので、休みを優先したい人は定休日を確認することをおすすめします。

長く勤務することが難しい

美容クリニックで働く看護師の年齢層は20代から30代がメインであることがほとんどです。

そのため病院のように定年まで勤めあげることが難しく、いずれ転職を検討しなければなりません。


クリニックによっては30代後半の未経験でも採用されるケースや、50代の美容ナースが活躍しているところもあるので、スタッフの年齢層を確認しましょう。

若いうちから美容クリニックで経験を積むことで、現場スタッフ以外の採用担当や管理職を目指すこともできます。

新人看護師が美容クリニックに転職できる理由

新人看護師でも美容クリニックへの転職が可能な理由として以下の3点が挙げられます。

それぞれ詳しくみていきましょう。

病院と看護業務が異なる

美容クリニックの業務は、一般的な看護業務と異なります。

例えば、排泄介助や食事介助など生活援助の看護業務はありません。

美容医療の専門的な知識や機器の取り扱い、患者さんへの接し方についても一から学び直す必要があるので、新人看護師であっても問題ないのです。


看護業務の内容は病院と異なりますが、患者さんのことを考えて、一人ひとりに合った適切な看護を提供するという点は共通しています。

病棟で経験した観察力やコミュニケーション能力は活かせるでしょう。

将来的なキャリア形成を重視している

美容クリニックでは、求人の募集要項に年齢制限を設けているところも少なくありません。

なぜなら教育コストがかかる分、若い看護師に長く勤めてほしいと考えているからです。


美容ナースの職場環境は、日々新しいことの勉強で、意欲があれば成長できるところです。

そのため、自分の頑張りが評価されて、転職して数年でリーダー業務や管理職を任されることも珍しくありません。

中には、主任やエリアマネジャーとして昇格すると、給料にも大きく反映されるケースもあるので、長く勤めてキャリアアップしたいと考えている場合は、転職活動の際に転職エージェントに確認しましょう。

教育体制が充実している

美容クリニックは、大手ほど教育カリキュラムが整っており、研修や勉強会が充実しています。

病棟勤務と同じようにプリセプターが新人看護師一人ひとりにつき、丁寧に指導してくれるので、何も分からないまま現場に出されるといった心配もありません。

そのため、新人看護師でも一から学べる環境が準備されているので、転職しやすいといえます。


例えば大手脱毛クリニックの新人研修では、座学で皮膚の構造や疾患・機械について学んだあとに、1か月間かけて徐々に現場での実践を積み重ねていくカリキュラムとなっているため、全くの未経験でも働きやすいです。

個人経営の美容クリニックへ転職を検討している場合は、指導方法・研修内容や期間について事前に転職サイトで確認することをおすすめします。

まとめ

特殊な看護業務や美容に関する知識・コミュニケーションなど研修期間で学ばなければならないことがたくさんある美容クリニックですが、その分高給与で休みもとりやすく、「転職して良かった!」と思う看護師が多いです。

臨床経験が1年未満の新人看護師でもスムーズに働ける教育体制があるため、安心して転職できるでしょう。

美容クリニックの特徴やメリットなどを把握して、自分らしくイキイキと働ける職場を見つけてくださいね。

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