上室性期外収縮(PAC: Premature Atrial Contraction)とは、心房が通常よりも早く収縮してしまうことによって発生する不整脈の一種です。
通常、心臓の収縮は、洞房結節(どうぼうけっせつ)からの電気信号によって、正確なタイミングで行われます。しかし、上室性期外収縮では、洞房結節からの電気信号が遅れているか、別の場所から発生してしまい、心房が早期に収縮してしまいます。この結果、心房の血液が心室に送られる前に、心房が再び収縮するため、正常な心拍と異なるリズムが生じることがあります。
上室性期外収縮は、多くの場合、症状が出ることはありません。しかしながら、時には脈拍の不規則感や頻脈などが現れることがあります。また、繰り返し発生する場合は、心臓の拍動リズムが不規則になり、心房細動や心室頻拍などの不整脈のリスクが高まることがあります。
上室性期外収縮の原因としては、ストレスや疲れ、カフェインやアルコールの摂取、薬物の副作用などが考えられます。また、心臓疾患や甲状腺機能亢進症、肺高血圧症などの疾患が存在する場合にも、発生することがあります。
上室性期外収縮の治療には、通常は特別な治療が必要ありません。ただし、繰り返し発生する場合や心臓疾患が存在する場合には、治療が必要となる場合があります。治療法としては、生活習慣の改善、薬物治療、電気的刺激療法などがあります。治療方針は、患者の症状や状態に合わせて個別に決定されます。
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