心電図の異常波形の主な種類

【心電図】異常波形の主な種類
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上室性期外収縮(PAC: Premature Atrial Contraction)

心房が早期に収縮してしまうことで起こる不整脈。
心電図上では、P波が異常な形を取って現れることが特徴的で、正常なP波の前に一つの異常なP波が見られます。
症状が出ることは少なく、通常は治療を必要としません。

心室性期外収縮(PVC: Premature Ventricular Contraction)

心室が早期に収縮してしまうことで起こる不整脈。
心電図上では、QRS波が異常な形を取って現れることが特徴的です。また、異常なQRS波の後にはしばしば休止期(無反応期)が現れます。
単発で出現する場合は問題ありませんが、頻繁に出現する場合は心臓疾患の兆候となることがあります。

心室頻拍(Ventricular Tachycardia)

心室が異常な速度で収縮し、正常な心拍数を超える不整脈。
心電図上では、QRS波が異常な形で、P波が存在しないことが特徴的です。また、異常なQRS波の後には休止期(無反応期)が現れることがあります。
短時間であれば問題ありませんが、長時間続く場合は突然死のリスクがあるため、適切な治療が必要です。

心室細動(Ventricular Fibrillation)

心室が異常な速度で乱れた収縮を繰り返し、心臓が機能しなくなる不整脈。
心電図上では、QRS波がなく、波形が乱れた状態が現れます。
緊急治療が必要であり、心肺蘇生法や除細動器による治療が必要です。

房室ブロック(AV block: Atrioventricular block)

心臓の信号伝達の異常によって、心房と心室の収縮が遅れたり、完全にブロックされたりする病態。
心電図上では、P波とQRS波の関係に異常が現れます。
一次性房室ブロック、二次性房室ブロック、三次性房室ブロックなど、種類によって症状や治療法が異なります。

ST上昇・下降(ST segment elevation/depression)

心筋虚血や心筋梗塞などの病態で、心臓の収縮に伴う電気的な変化が起こるために生じる。
心電図上では、STセグメントが正常範囲から外れて上昇したり、下降したりすることが特徴的です。
心筋虚血や心筋梗塞の診断に役立つことがあります。

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